キノコ栽培場(投稿者 氷っす!)
あれは、高校生2年のうっとうしい梅雨時期の頃だった。
ある日の土曜日部活が終わったあと当時の部長が、
”おい!おまえら1年といっしょに部室掃除しておけよ。くせーぞ。”
と、のたまわれたのです。
それはそのはず、ただでさえ若いヤローどもが梅雨の蒸し暑いなか、
汗にまみれになりながら練習に励んでいました。
それに、梅雨時期なので柔道着も洗っても乾かずに、
汗をかいた柔道着をずっと使用していたのです。
ま、それでもその臭気に耐えられるのは2、3日。
くさい柔道着で押さえ込みなんかされた日にゃ...。
というわけで、この頃の部室はなんとも形容しがたい臭いが漂っていました。
部長命令で、いやいやながら、2年と1年は部室掃除をし始めることにしました。
掃除用具入れには掃除用具など入っておらず、掃除用具は、
部室野球のバットおよびボールなどになっていたので、そこらへんに転がっていました。
それを拾い掃除を始めたのです。
ま、半分は遊びながらでしたが...。
部室のロッカーを掃除する者。
シャワー室(水しか出ない)を掃除する者。
畳を掃除する者。
そして、掃除用具入れを掃除する者。
ま、人数があまり居なかったので、順番に掃除していき、
終わったらつぎの場所という形でした。
そして、最後の掃除用具入れ...。
今、思えばこれを開けなければ良かったのかもしれない。
後輩の1年生が開けた瞬間。
く、臭い!!!
そ、そこは柔道着の墓場と化していたのです。
梅雨時期のせいでカビが生えており、それはもうすごいことに...。
さらに、変なキノコまで...。
その日から、掃除用具入れは、柔道部のキノコ栽培場と命名され、
やばめの柔道着(臭い柔道着という意味です)は
キノコ栽培場にキノコの苗床として置かれるようになりました。
が、あれ以来キノコは生えることは無かった...。
え、生えていたキノコはどうしたかって?
それは、1年生に食わせようとしたのですが、
やはり死人が出るとまずいと言うことで捨てさせました。
と同時に柔道着も焼却処分。
キノコとカビは天に召されたのです。
でも、あのキノコの胞子はどっから入ってきたのだろう?謎だ...。